地震が起きた時に改めて思tた。
次にあなたの声を聞くまでは死にたくない。
次にあなたの笑顔を見るまでは死にたくない。
僕は君が毎日どうやって暮らしているか気になるんだ。
みんなは気にならないの?
僕が変なのかな?
遠くて君が見えなくて。
今日も寂しくて悲しくて不安だよ。
僕のこと、1度でも思い出してくれたかな?
僕のこと、どう思っているんだろう?
ずっとずっと考えちゃうんだ。
ねぇ、君は気にならないの?
今のあたしは幻と戦っている。
幻に対する嫉妬と絶望と戦っている。
憧れと嫉妬は綯交ぜとなりいつもその現実があたしを叩きのめす。
それにしても今回のは大物だった。
大好きな人が好きな歌手。
曲を聴いてみると、その世界観はあたしの心にも響いた。
作れる、歌える、あたしの大好きな人がファンである彼女には憧れの嫉妬と、恋愛の嫉妬の両方を抱えることになった。
ただの歌手に嫉妬とは情けないのだけれど。
大好きな人との距離が詰めれるわけでもない、このスッキリとしない状況の中で彼女の存在が無駄に大きくなっていくのである。
しかも情けないことに彼を思ってあたしは彼女の歌を歌うのである。
それでもあたしは。
なんとか「まだアレができる」「コレができる」そうやって小さな点を打っていく。
先の遠いその距離を、その点を伝って線を引いていくのだ。
なのに。
その彼女は小説を出した。
声が出なくなった時。何ヶ月も机にかじりついて書いたとインタビューにあった。
なんだそれ。
そう呟きながらあたしは、眉間にしわを寄せながら本棚に押し込んである書きかけの原稿用紙を睨みつけた。
次へと繋げられると思った点への道をまた遮られた気がして、折れそうになった。
あたしのできる事は何でもひょいとやってしまうのかも知れない。
過去にたくさん憧れたり嫉妬したりした人達はいたけれども、こんなに一人でダメージを喰らわせてくれる人もいなかった。
これだけは勝てたと自信を持って言える何かをあたしは見つけられるのだろうか。
もしも、大好きな人を捕まえる事ができたのなら、と思っているあたしはバカなのだろうか。
今日も鏡を眺めてため息をついた。
いつになったらそこに辿りつけるのだろう。
沢山の点を作り続けなければならないのか。その線をどうやって繋げていくのか。
いや、それとももうぐるっと大きな曲線を引いて取り囲んでしまえばいいのかも。
大好きな人と幻である嫉妬もあの歌も全てひとくくりに。